礼服・喪服クリーニングの料金相場は？頻度や日数、出し方についても解説！

礼服・喪服のクリーニングは、冠婚葬祭で着用する特殊な衣類を専門的に洗浄・手入れするサービスです。

礼服・喪服には、濃い黒色を表現する「深色加工」という特殊な染色技術が施されているため、一般的な洗浄方法では色褪せや質感を損ねるリスクがあります。そのためクリーニング会社では、pH値を調整した中性洗剤を使用し、水温も30度以下に保つなど配慮をしています。

普段では高級感のあるスーツも、汗や皮脂など特殊の汚れが付着します。これらは時間が経つと黄ばみや匂いの原因となるため、着用後は早めにクリーニングに出すことが推奨されています。

洗浄後の手入れ作業でも、テカリを防ぎ肌のラインを整える立体プレスなど、通常の衣類より手間をかけて実施します。このように礼服・喪服は使用後や定期的にクリーニングへ出すことで、本来の品質と品格を保ち、清潔な状態で手入れすることが可能です。

礼服・喪服のクリーニング料金は、店舗型で上下セット1,000円から4,000円程度が相場です。宅配型では2,500円から8,000円とやや高めですが、まとめて出すと保管サービスなどの付加価値があります。

単体の場合、ジャケットは1,200円から2,500円、パンツやスカートは800円から1,500円が目安となります。

店舗型クリーニングの料金

大手チェーン店の料金を比較すると、サービス内容と価格のバランスが見えてきます。ホワイト急便は価格を抑えながら、普段使いに適しています。一方、白洋舍は料金こそ高いですが、品質重視で特殊な手入れが大きな特徴です。

※地域により異なる。上記は大田区エリアの料金。

宅配クリーニングの料金

宅配クリーニングは、利便性と保管サービスが魅力的なサービスです。「せんたく便」はパック料金制で、礼服以外の服もまとめて出すとお得になります。「白洋舍らくらく宅配便」は単体対応が可能で、普段の1着だけ出したいときにも便利です。

※せんたく便最速10点パック利用時の1点あたりの価格で算出。

礼服・喪服のクリーニング料金は、一般的な衣類と比較して1.5倍から2倍程度高い設定されています。これには素材の特殊性、洗浄工程の複雑さ、手入れの手間という3つの理由があります。

実は、この料金設定には品質を保つための必然性があります。

特殊な素材と染色技術

礼服・喪服には、濃い黒色を表現するために特殊な染色技術が使われています。この「深色加工」と呼ばれる技術は、通常の洗い方より色落ちや風合いを損なう恐れがあるのです。

さらに、ウールやポリエステルの混紡素材が多く、それぞれの繊維に適した洗浄方法を選ぶ必要があります。クリーニング会社では、pH値を調整した専用の洗剤を使い、水温も30度以下に保ちながら洗浄するなど、細やかな工程と専門技術が、料金に反映されているわけです。

他の衣類と分けて洗う必要性

礼服・喪服は、色移りを防ぐため単独で洗浄処理を行います。特に黒の染料は他の衣類に移りやすく、逆に白い汚れが付着すると目立ってしまうのです。

ドライクリーニングの溶剤も、礼服専用のものを使用します。

通常の衣類なら10着まとめて洗うところを、礼服は2～3着ずつ慎重に実施するため、効率が下がります。この手間暇が、どうしても料金に上乗せされてしまうのです。

手作業による丁寧な手入れ

礼服の手入れ工程では、機械プレスではなく職人による手作業が中心となります。肌のラインや肩の形を整えるには、熟練の技術が不可欠だからです。

アイロンがけも、テカリを防ぎつつ布を使いながら、低温で時間をかけて行います。

ボタンやファスナー周りは、一つひとつ手作業でブラシをかけ、汚れを取り除いていきます。手入れだけで通常の3倍近い時間がかかることも、料金が高い大きな要因となっています。

礼服・喪服のクリーニング頻度は、着用回数と保管期間の二つの観点を考慮して決めることが大切です。汗や皮脂は時間ととも酸化するため、適切なタイミングでのケアが不可欠なのです。

基本は1回着用ごとに出す

礼服・喪服は、たとえ短時間の着用でも必ずクリーニングに出すことをおすすめします。冠婚葬祭では意外と汗をかきやすく、目に見えない皮脂汚れが付着しているからです。

特に夏場の着用後は、3日以内にクリーニングに出すのが理想的です。冬場でも、暖房の効いた屋内では意外と汗をかくものです。「汚れていないから大丈夫」と思わず、着用後は速やかにクリーニングに出す習慣をつけることが、礼服を長持ちさせる秘訣となります。

また、葬儀から49日法要まで期間が空く場合も、一度クリーニングに出してから保管しましょう。汗や皮脂を放置すると、黄ばみや匂いだけでなく虫に食われてしまうこともあります。

着用しなくても定期的なメンテナンスを推奨

長期間着用していない礼服・喪服も、年に1回はクリーニングに出すことをおすすめします。クローゼットにしまったままでも、湿気を吸着してカビが発生する可能性があるからです。

梅雨入り前の5月頃が、メンテナンスのベストタイミングです。湿度が高くなる前にクリーニングと防カビ加工を済ませ、カビの発生を未然に防ぎます。

また、3年以上着用していない場合は、生地の劣化を防ぐためにも一度プロの点検を兼ねましょう。虫食いの補修も、定期的なクリーニングで早期発見できます。大事な場面で慌てないよう、計画的なメンテナンスを心がけることが重要です。

礼服・喪服のクリーニングは、店舗型で3日から7日、宅配型で5日から10日が一般的な手入れがり日数です。ただし、繁忙期や追加を頼む場合は、さらに2日から3日追加でかかることもあります。

店舗型では即日手入れがりや翌日手入れがりのサービスもありますが、追加料金が発生します。急な葬儀で時間がない場合、午前中に持ち込めば対応可能な店舗もあります。料金は通常の1.5倍から2倍になりますが、緊急時には頼りになるサービスです。

一方、宅配型は配送時間が必要なため、どうしても日数がかかってしまいます。集荷の配送で2日から3日、クリーニング作業で3日から5日を見込んでおくと安心です。法事の日程が決まったら、余裕をもって2週間前には出すようにしましょう。

礼服・喪服をクリーニングに出す際は、事前の準備から受け取りまで、正しい手順を踏むことが大切です。適切な出し方をすることで、トラブルを防ぎ、手入れがりの満足度も高まります。

事前のチェックポイント

クリーニングに出す前の確認作業は、後のトラブルを防ぐ重要なステップです。5分程度で済むので、必ずチェックしましょう。

ポケットの中身確認

すべてのポケットを裏返して、忘れ物がないか確認します。数珠や香典袋の控え、ハンカチなどが入ったままになっていることが多いです。万が一貴重品が入ったままクリーニングに出してしまうと、紛失のリスクがあります。特に内ポケットは見落としがちなので、念入りに確認してください。

シミや汚れのチェック

襟元、袖口、裾などを中心に、シミや汚れがないか確認しましょう。食事の際のシミは時間が経つと黄ばみやすく、早めの処置が重要です。発見したシミは、メモで包むなどしてクリーニング店に正確に伝えます。

付属品の取り外し

コサージュやブローチなどの装飾品は、必ず取り外しておきましょう。ベルトも別にすることで、型崩れを防ぎます。取り外した付属品は、まとめて保管しておきましょう。

オプション加工選び

礼服・喪服の品質を長く保つために、オプション加工の活用を検討してみてください。用途や保管期間に応じて、必要なものを選択します。

防カビ・防虫加工

防カビ・防虫加工は、次の着用まで3ヶ月以上空く場合は必ず付けておきましょう。料金は1,000円から2,000円程度で、約6ヶ月から1年間効果が持続します。

特に梅雨時期をまたぐ場合、カビが生えてからのクリーニングは、通常の2倍以上の料金がかかることもあります。予防的な加工で、長期的に見るとコストを抑えられるのです。

撥水加工

撥水加工は800円から1,500円で、雨や汚れから礼服を守ります。屋外での法事が多い地域では、特におすすめです。飲食のシミも付きにくくなるメリットがあります。

ただし、通気性が若干低下するため、夏場の着用が多い方は湿気が心配です。

店舗型クリーニングの出し方

店舗に直接持ち込む際は、スムーズな受付のために、シミや汚れをあらかじめ伝えておきましょう。

持ち込む時の注意点

礼服はハンガーにかけたままでなく、カバーをかけて持参するのがベストです。たたんで持っていくと、シワの原因になります。雨天時は濡れないよう、大きめのビニール袋をかぶせるなど配慮しましょう。

店員への伝達事項

シミの場所と原因、着用後の日数、オプション加工の有無を明確に伝えます。「何の用事で着用した」と伝えると、より適切な手入れをしてもらえることが多いです。預かり票は、必ず受け取り時まで保管しておきましょう。

受け取り日の確認

手入れがり予定日は、必ず店員と声を出して確認します。法事の日程が決まっている場合は、3日前までには受け取れるよう調整してもらいましょう。急ぎは、なるべくなら避けて事前に保管しておくことがおすすめです。

宅配クリーニングの出し方

自宅から出せる便利な宅配クリーニングは、忙しい方に最適なサービスです。

申し込み手順

まずは各社のウェブサイトから会員登録を行い、集荷依頼をします。支払フォームで、点数とオプションを選択し、集荷希望日時を指定しておきましょう。初回は集荷キットが届き、2～3日かかることもあります。

梱包方法のポイント

専用バッグまたは、段ボールに、礼服を丁寧にたたんで入れます。型崩れを防ぐため、新聞紙やエアキャップで隙間を埋めるのがコツです。シミがある箇所は、メモを添付しておきましょう。

集荷・配送の流れ

指定日時に宅配会社が集荷に来るので、梱包済の荷物を渡します。クリーニング完了後は、メールで通知が届き、希望日時に配送されます。不在時は再配達も可能なので、安心して利用できるでしょう。

Q1. 礼服・喪服をクリーニングに出さないとどうなりますか？

クリーニングに出さず保管すると、着用したときの汗や皮脂が、時間とともに黄ばみや匂い、虫食いの原因になります。汗や皮脂は時間とともに酸化して、生地に染み込んでしまうのです。

そのため、6ヶ月を過ぎると、カビが発生するリスクが格段に高まります。特に梅雨時期をまたぐと、高い湿度がカビを繁殖させ、全体に広がることもあります。カビが生えた礼服のクリーニングは、通常の2倍以上の料金がかかることもあります。

さらに、虫食いの被害も深刻です。ウールが好物の虫は、皮脂汚れを残した礼服を、衣類ごと食べてしまいます。定期的なクリーニングは、清潔な状態を保つ最善策といえるでしょう。

Q2. 喪服は四十九日と49日より後どちらでクリーニングに出す方がいいですか？

四十九日より後、1ヶ月以上空く場合は、一度クリーニングに出すことをおすすめします。汗や皮脂を放置すると、49日の間に黄ばみが定着してしまうからです。

2週間以内の連続着用なら、まとめて出しても問題ありません。ただし、夏場は、体温が25度を超える時期は、3日以内にクリーニングに出すことをおすすめします。

汗の量が多く、カビや匂いの進行が早いためです。49日以降も一周忌、三回忌と法事は続きます。その都度クリーニングに出すことで、いつでも清潔な状態で着用できるでしょう。

Q3. 防カビ・防虫加工は必要ですか？

防カビ・防虫加工は、次の着用まで3ヶ月以上空く場合は付けることをおすすめします。料金は1,000円から2,000円程度で、約6ヶ月から1年間効果が持続します。

特に以下の条件に当てはまる方はおすすめです。

• マンションの中層階の部屋で保管している
• クローゼットに除湿剤を置いていない
• 年に1度しか着用しない
• 過去にカビや虫食いの経験がある

一度カビが生えると、カビ取りクリーニングで追加料金が発生します。予防的な加工で、長期的に見るとコストを抑えることに繋がるのです。ただし、頻繁に着用する方や、保管環境が良い場合は不要かもしれません。

礼服・喪服のクリーニング料金は店舗型で1,000円から4,000円、宅配型では2,500円から8,000円が相場となっています。着用ごとのクリーニングと年1回のメンテナンスを心がけることで、大切な礼服を長くきれいに保てるでしょう。

料金を抑えながら品質の高いクリーニングを求める方には、宅配クリーニングのパック料金がおすすめです。

特に「せんたく便」なら、10点パック12,738円（税込）で礼服以外の服もまとめて出せるため、1点あたり約1,274円ととてもお得に利用できます。法事で慌てないよう、礼服のクリーニングでお困りの方は、宅配クリーニングを一度検討してみてください。